国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
工業数学Ⅲ
担 当 教 官 青木 宏之
学年、学科等 4年 電子工学科 通常講義
単位数 期間 必修 1 単位 前期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
3年生までに学んだ数学(三角関数,微分積分,線形代数等)の知識を土台として、本授業では工学に広く応用され
る数学を学ぶ。本授業で扱うテーマは次の二つ、最小二乗法とフーリエ級数である。本授業の目標は、これらテーマ
の背後にある数学的な発想法や考え方を身にけるとともに、微分積分や行列、複素数等を用いたこれら計算がスムー
ズに行える力も養成することにある。
カリキュラムにおける位置づけ
音声処理や画像処理等の信号処理を始めとして、工学の広い分野で使われる基礎的な数学である。
授業の内容 時間
1.準備(復習) 4
 本論に入る前に次の準備を行う。ギリシャ文字の活用,∑を用いた数式表現,三角関数・微分・積分
(特に,部分積分や定積分)・偏微分・行列・複素数(オイラーの式)などを用いた計算練習を行う。
2.最小2乗法 4
 何らかの実験を行い、変数 x と 変数 y との対になるデータが複数得られたとする。
 このとき x と y との間にあると思われる何らかの関係式を導きたいとき、どう考えるか。
 ここで、最小2乗法という考え方を学ぶ。
3.フーリエ級数
(1) 導入として、ある周期をもつ正弦波に周期がその1/2、1/3、・・・となる正弦波を重ね合わせたとき 4
   どのような波形が得られるかグラフを書いて調べてみる。 
(2)表計算ソフトを用いて、更に重ね合わせる正弦波の振幅もいろいろかえた結果、どのような波形が 2
   得られるかを調べてみる。
前期中間試験 1
(3)まずは周期が2πである関数 f(x) のフーリエ級数の理論的な考え方を学ぶ。 2
(4)周期が2πをもつのこぎり波のフーリエ級数を理論的に求め、実際に表計算ソフトを使いその波形を 2
   描いてみる。
(5)周期2πから一般的な値Tに拡張した関数 f(x) のフーリエ級数を学ぶ。 2
(6)更に、オイラーの公式を用いて三角関数から複素数に拡張したフーリエ級数を学ぶ。  2
(7)ある与えられた波形を周波数という立場から眺めてみるという考え方を学ぶ。 2
4.課題演習 4
 フィルタに関する演習問題を考える。
前期末試験 1
   
   
   
教科書
「これなら分かる応用数学教室」金谷健一(共立出版)
補助教科書
履修上の注意
線形代数,微分積分の基礎力を必要とする。
評価基準
最小2乗法の考え方を理解しているか。任意の一次関数をフーリエ級数展開することができるか。∑を用いた計算や,微分・積分,行列,複素数などを用いた基本的な計算がスムーズに正確に行えるか。
評価法
定期試験80%,レポートなど20%
学習・教育目標 東京高専
C-1
JABEE
(c)