国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
電気回路Ⅱ
 
担 当 教 官 須原 啓一
学年、学科等 3年 電気工学科 通常講義
単位数 期間 必修 2 単位 通期 週2時間 (合計 60 時間)
授業の目標と概要
電気回路Ⅰの発展として、三相交流とひずみ波交流を学習する。三相交流における、電圧、電流、電力の扱いに慣れ
るとともに、送電や回転磁界の発生における三相交流の利点を学習する。ひずみ波交流では、純粋な正弦波に対し
て、高調波を含む場合の電圧、電流、電力の取り扱いを学習する。
カリキュラムにおける位置づけ
2年生で学習した基礎電気回路、電気回路Ⅰを基礎とする科目。三相交流は、送電など電力の分野、大型の発電機や
電動機の学習に必要である。電磁エネルギ−変換Ⅱの学習に必要。ひずみ波交流は、正弦波交流に、信号にせよ雑音
にせよ、いくつもの異なる正弦波交流が重なったものと考えられ、扱われる範囲は広い。応用数学で学習するフーリ
エ級数と関係が深い。
授業の内容 時間
1.三相交流回路 14
 1−1 三相交流回路の特徴: 三相4線式回路と三相3線式回路を比較する
 1−2 三相対称起電力と三相平衡負荷: 三相対称起電力を α オペレータで表現する
 1−3 三相回路の結線方法: 星形結線の電圧電流、△結線の電圧電流
 1−4 平衡三相回路の電圧と電流: 三相電源の Y−△変換 と △−Y変換
                   三相負荷の Y−△変換 と △−Y変換
                   それらを利用した、電圧電流の計算
前期中間試験 1
 1−5 平衡三相回路の電力: 平衡三相回路の電力の求め方 14
 1−6 不平衡三相回路の電圧と電流: 不平衡三相回路の電圧、電流の計算
 1−7 不平衡三相回路の電力: 不平衡三相回路の電力の求め方
 1−8 三相回路の応用: 回転磁界の発生への応用
前期末試験 1
2.ひずみ波交流 14
 2−1 ひずみ波交流の例: 周波数が異なる正弦波で、ひずみ波を作図する
 2−2 ひずみ波交流電圧及び電流の実効値とひずみ率: ひずみ波の実効値、各周波数成分の実効値
 2−3 ひずみ波交流回路のインピーダンス: 各周波数成分に対するインピーダンス
 2−4 ひずみ波交流回路の電力: ひずみ波の電力、各周波数成分の電力
 2−5 等価正弦波と等価力率: 等価正弦波の考え方
後期中間試験 1
 2−6 三相交流におけるひずみ波 14
 2−7 ひずみ波の発生: 三相交流が高調波を含むときの問題点
 2−8 ひずみ波の成分: 非線形回路による、ひずみ波発生の例
 2−9 高調波成分の共振: 高調波は、各成分ごとに共振周波数が異なる
学年末試験 1
   
   
   
   
教科書
書名:交流理論(電気工学基礎シリーズ)、編者:東京電機大学、発行所:東京電機大学出版局
補助教科書
履修上の注意
正弦波関数による表示と複素数による表示を併用する。正弦波関数に関しては、加法定理、微分積分が必要である。複素数については、直角座標による表示と極座標による表示の相互変換、複素平面におけるベクトル表示、加減乗除算が必要である。準備する用具:関数電卓、定規、分度器、コンパス
評価基準
三相交流回路の電圧、電流、電力を計算できる。ひずみ波交流を基本波と高調波に分けて考え、電圧、電流、電力を計算できる。授業中に実施する演習や教科書の問題程度で60点をとる。
評価法
定期試験100%
学習・教育目標 東京高専
C-6
JABEE
(d)