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教科目名
電気電子計測Ⅰ
 
担 当 教 官 山内 峯生、土井 淳
学年、学科等 4年 電気工学科 通常講義
単位数 期間 必修 1 単位 前期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
電気電子計測の基礎を学ぶ。計測の技術の多くは図面(構成図、回路図など)に集約されている。教科書には多くの
図面が掲載されている。最初の目標はこれらの計測の図面を見てその動作原理が理解できてその動作を定性的および
定量的に説明できるようになること。次の段階の目標は希望する計測をするための計測図面を設計できるようになる
ことである。
カリキュラムにおける位置づけ
前提となる知識:1,2,3年次までに学習した電気工学専門基礎学科、技術創造実験・実習
今後活用する分野:創造電気実験III、創造電気実験IV、卒業研究
授業の内容 時間
1章 計測とはなにか 14
計測とは対象から情報を獲得することである。計測で獲得する情報量とその算出を学ぶ。また計測の回路問
題を解くとき必須であるオームの法則、キルヒホッフの法則を復習する。また複雑な回路問題を簡単に解く
ツールであるテブナンの定理を復習する。
2章 計測標準とトレーサビリテイ
SI単位系、計測標準供給体系、トレーサビリテイを学ぶ。
3章 計測器の基本的機能と共通要素
全ての計測器での共通な基本機能と共通要素を学ぶ。
 3.1計測機器の基本要素
 3.2測定の方式ー偏移法と零位法など
 3.3アナログ信号処理機能ーアナログ回路の復習
 3.4AD変換とDA変換
 3.5デジタル回路ーデジタル回路の復習 
 3.6表示デバイス
 3.7計測のシステムか
4章 計測情報の評価と向上
信号の検出限界はノイズで決まる。ノイズを抑制して情報を獲得する手法と計測結果のデータを整理し報告
する方法について学ぶ。
1章から4章までは全計測器に共通する内容であり抽象的な説明が多くなる。5章以降からは具体的な計測
対象ごとの固有技術を学ぶ。5章以降では特に3章と4章の内容が実際の計測で具体化されていることを学
ぶ。
前期中間試験 1
5章 電圧・電流の計測 14
電圧と電流の計測について学ぶ。電圧と電流には直流と交流がある。また大きさでみると微小電圧・微小電
流から中電圧・中電流、さらに大電流・高電圧まで範囲が広い。偏移法と零位法に分けて学ぶ。偏移法では
古くから使用されてきた3種類のパネル計器(可動コイル形計器、可動鉄片形計器、電流力計形計器)を学
ぶ。微小電圧・微小電流に対しては雑音を抑制して計測する技術を学ぶ。高電圧・大電流に対しては安全に
計測する技術を学ぶ。通常の電流計測は回路を切ってその間に電流計を入れて行う。回路を切ることができ
ない場合がある。回路を切らないで電流を計測する技術を学ぶ。電流をとらないで電位を計測する技術を学
ぶ。正確な計測のために零位法が各所で使用されていることを学ぶ。この章の講義の前に単相交流回路の復
習をしてくること。
前期末試験 1

(続き)
教科目名
電気電子計測Ⅰ
 
授業の内容 時間
電気学会発行の下記教科書に沿って説明する。この教科書はハードであり一部の学生にとっては1回読ん
だだけでは理解できない部分がある。難しい部分の説明、追加項目、例題などを記した講義資料を事前に配
布する。講義前には必ず
予習してくること。予習して来ないと教科書(=講義内容)を理解することは困難である。講義中は講義内
容を理解することだけに集中すること。ノートはメモ程度でよい。講義後は復習して分からない点はそのま
まにしないで次回に質問すること。この教科書一冊を完全に理解すれば電気電子計測の実力がついたといえ
る。
教科書を理解したかどうかの一つのチェックは教科書図9.6のフラックスゲート磁束計の図を見て動作
原理を説明できるかどうかである。簡単な図であるが、差動構成の検出器、位相検波、フィードバック、零
位法という計測技術が集約されている。この図面を見て動作原理が説明できれば電気電子計測の実力がつい
たといえる。教科書のすべての図について動作原理が説明できるようになることが目標である。
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
教科書
書名:電気電子計測の基礎、 著者:山崎弘郎、 発行所:電気学会
補助教科書
無し
履修上の注意
電気回路、アナログ回路、デジタル回路、単相交流回路、三相交流回路、電磁気学で学んだ内容を十分に理解しておくこと。
評価基準
定期試験(100点満点)で評価する。
80点以上はA,80点未満70点以上はB、70点未満60点以上はC、60点未満はD
評価法
定期試験100%
学習・教育目標 東京高専
C-6,C-7,C-8
JABEE
(d)