国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
情報システム技術
 
担 当 教 官 山内 峯生、舘泉 雄治
学年、学科等 5年 電気工学科 通常講義
単位数 期間 選択 1 単位 前期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
現在、コンピュータ通信はTCP/IPに収束した。携帯電話通信は音声通信とデータ通信の2本立てであるが近い将来
TCP/IPに一本化される見込みである。TVもインターネット配信(TCP/IP)が増える。全ての通信がTCP/IPに収束する
方向である。これからの人はTCP/IPをしっかり学んでおけば大多数に対応できると予測される。講義では情報システ
ム技術の中核であるTCP/IPの初歩を学ぶ。ルータを使用した小規模TCP/IPネットワークの設計ができること、ネット
ワーク障害が発生したときその原因を特定できることが目標である。
カリキュラムにおける位置づけ
前提となる知識:2,3年次に学習したプログラミング言語Iとプログラミング言語II、および4年次に学習した電子計
機Iと電子計算機II。
今後活用する分野:卒業研究
授業の内容 時間
1章 ネットワークの基礎知識 29
OSI参照モデルと階層プロトコールを学ぶ。
リピータ(ハブ)、ブリッジ、ルータの3つの違いを学ぶ。
2章 TCP/IPの基礎知識
TCP/IPの歴史と概要を学ぶ。
3章 データリンク
Wiresharkツールを学ぶ。このツールは以降のすべてで使用する。
DIXと802.3の2つのイーサネットプロトコールを学ぶ。
MACアドレス、CSMA/CD方式、データリンク用ケーブル(10BASE-T/100BASE-TX)を学ぶ。
4.IPプロトコール
IPプロトコールはTCP/IPの中核である。IPプロトコールを学ぶ。
IPアドレス、IPネットワーク番号とホストアドレス、クラスとサブネットマスクを学ぶ。
ルーテイングテーブルとIPパケットのルーテイングを学ぶ。
ICMPパケット(プロトコール)を学ぶ。
Ipconfig、Ping、Traceroute、Arp、Routeコマンドを学ぶ。
ルーテイングテーブルとIPパケットのルーテイングが理解できれば初級である。
第5章 IPに関連する技術
DHCPとNAPTを学ぶ。
第6章 TCPとUDP
ポート番号、TCPとUDPプロトコールを学ぶ。
データリンク通信、ネットワーク通信、トランスポート通信の3つの通信の違いを学ぶ。
残念ながらこの教科書レベルではTCPとUDPの表面を理解する程度である。TCPとUDPの裏面(本当の姿)はソ
ケットプログラミングをしてTDPとUDPのパケットを実際に走らせることによって理解できる。
第7章 ルーテイングプロトコール
ルーテイングテーブルを動的に設定するプロトコールである。小規模なネットワークでは使用されないため
講義では省略する。
第8章 アプリケーションプロトコール
DNSを学ぶ。
Telnet,TeraTermを学ぶ。
Telnetを使って電子メールの送信と受信を行い、SMTPとPOP3プロトコールを学ぶ。
TeraTermを使ってWebサーバにアクセスし、URI、HTTPプロトコール、HTMLを学ぶ。
Telnetを使用して電子メールの送受信、TeraTermを使ってWebサーバアクセスができるようになることが目標
である。
Netstat,Nslookupコマンドを学ぶ。
第9章 物理層、伝送媒体と公衆通信サービス
有線ケーブル(ツイストケーブル、同軸、光)を学ぶ。ADSL、ファイヤウオール(NAPT)を学ぶ
第10章 ネットワーク利用環境とその変化

(続き)
教科目名
情報システム技術
 
授業の内容 時間
前期末試験 1
下記の教科書を使用し教科書に沿って解説する。最初に教科書内容を説明しその後でパソコンを使って実
際に動作確認する。動作確認のためのツールとしてネットワーク上のパケットをモニタするWiresharkを使用
する。これを使用するとTCP/IPプロトコールの動作をほぼ100%観察することができる。またこのツール
はネットワーク不具合を特定するためのツールでもある。このツールを理解し使用できるようになることが
最初の目標である。なお講義時間の制約のため教科書は基礎部分に絞って説明する。講義で使用したパワー
ポイント資料はホームページに掲載するからこれで復習すること。
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
教科書
書名:マスタリングTCP/IP 入門編 第4版 著者:竹下隆史・村山公保・荒井 透・苅田幸雄 発行所:オーム社
補助教科書
履修上の注意
2、3年次に学習したプログラミング言語Iとプログラミング言語II、および4年で学習した電子計算機Iと電子計算機IIの内容を十分理解しておくこと。
各自が、実習用のデータを保存するためのUSBメモリを持参すること。
評価基準
定期試験とレポート点の総合点(100点満点)で評価する。80点以上はA、80点未満70点以上はB、70点未満60点以上はC、60点未満はD。
評価法
レポートなど50%,定期試験50%
学習・教育目標 東京高専
C-6
JABEE
(d)