国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
ディジタル信号処理
 
担 当 教 官 山内 峯生、舘泉 雄治
学年、学科等 5年 電気工学科 通常講義
単位数 期間 選択 1 単位 後期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
デジタル信号処理(DSP)は、ノイズカットする高級ヘッドフォン、音声符号化、復号化を使用している携帯電話など
身近なものになってきている。またMatlab/Scilabというシミュレータが使用できる環境になりDSP機器の設計方法も
変化している。設計の段階でシミュレーションができて動作チェックができる。
この講義ではScilabを使ってデジタル信号処理の基礎を学ぶ。最初の目標はScilab使用法を習得することである。次
の目標はScilabを使ってFIRフィルタとIIRフィルタを設計できるようになることである。
カリキュラムにおける位置づけ
前提となる知識:4年次に学習した応用数学Iと応用数学II
今後活用する分野:卒業研究
授業の内容 時間
 下記の教科書を使用して講義する。教科書はデジタル信号処理の解説とScilabを使用した例題から構成さ 29
れている。はじめに教科書の解説を行い解説の後でScilabを使って実習を行う。実習の例題と課題、および
その解答例はホームページにて掲載する。
1章 デジタル信号処理とDSPシミュレータ(Scilab)
Scilabの使用法を学ぶ。
2章 四則演算で音を作る。
デジタル信号の作成について学ぶ。
3章 DSPシミュレータでデジタル信号処理を体験
DSPシミュレータを使って、信号の作成、雑音が抑制できることを学ぶ。
4章 デジタル信号処理の全体像
以上の1章から4章まででScilabの使用法と「信号」について学ぶ。デジタル信号、デジタル信号の作成、
デジタル信号の時間領域と周波数領域での表現、フーリエ変換、サンプリング定理、および簡単な信号処理
について学ぶ。
5章 デジタルフィルタの解析
この章がシステムとデジタル信号処理の理論についての解説である。Z変換というツールを学ぶ。「システ
ム」について学ぶ。システムの一例であるデジタルフィルタを学ぶ。フィルタ(システム)を表現するには
①単位インパルス応答、②伝達関数、③差分方程式、④ブロック図、⑤DSPプログラムという5つの表現(モ
デル)があること、これらが相互変換できること、その相互変換方法について学ぶ。
6章 いろいろのデジタルフィルタの特性
デジタルフィルタを代表するFIRフィルタとIIRフィルタについて学ぶ。
7章 FIRフィルタの基礎とDSPプログラミング
8章 IIRフィルタの基礎とDSPプログラミング
教科書ではフィルタの設計は範囲外として除外されているが、講義ではScilabを使ったフィルタの設計法を
追加する。フィルタに対する要求仕様を出発点としてフィルタの設計から実装と評価までを行う。フィルタ
の設計、設計評価、設計段階での動作シミュレーション、DSPプログラム作成、DSPプログラム評価、DSP動作
シミュレーション、実機(Scilab)でのDSPプログラム動作、動作テストという一連の設計の流れを学ぶ。
 教科書の1章から12章の全ての章について説明する。また教科書内容を補足するために別途講義資料を
配布して使用する。このため進捗速度は早い。Scilabはフリーソフトであり、自宅でも学習できる、
卒業してからも使えるという利点がある。講義時間中に実習が完了しないときは自宅あるいは研究室で実習
を完了させるようにする。
学年末試験 1

(続き)
教科目名
ディジタル信号処理
 
教科書
書名:Scilabで学ぶデジタル信号処理、 著者:三谷政昭、 発行所:CQ出版社
補助教科書
無し
履修上の注意
4年次に学んだ応用数学IIでのフーリエ級数展開、フーリエ変換について十分理解してくる
こと。
講義実習ではScilabを使用する。各自が、そのScilabプログラムとデータを保存するための
USBメモリを持参すること。
評価基準
定期試験とレポートの総合点(100点満点)で評価する。80点以上はA、80点未満70点以上はB、70点未満60点以上はC、60点未満はD。
評価法
レポートなど50%,定期試験50%
学習・教育目標 東京高専
C-6
JABEE
(d)