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教科目名
成形加工学
Plasticity and Molding Engineering
担 当 教 官 木村 南
学年、学科等 1年 専攻科機械情報専攻 通常講義
単位数 期間 選択 2 単位 前期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
自動車・家電・電子情報機器などの工業製品の加工技術として金属・プラスチックなどへの圧延・押出・絞り・曲げ
という成形加工技術は大変重要な役割をはたしている。そこで金属材料・プラスチック材料とそれらの性質および
金属プレス成形ならびにプラスチックの射出成形・圧延・押出・引抜・ブロー成形・真空成形・カレンダー成形・せ
ん断・曲げなどの各種プラスチック成形技術について学習する。そして自動車や家電生産における金型の役割を調査
し、概略のコスト計算が出来ることを目標とする。
カリキュラムにおける位置づけ
機械部品の生産高において塑性加工や射出成形などの成形加工がその70%以上を占めること。また金型は知的財産とし
て極めて戦略的な製品である。金型での成形加工のコンピュータシミュレーション技術は生産加工の合理化のみなら
ず、自動車の衝突安全性や電子部品の放熱性向上にも寄与する重要な情報・制御技術である。
授業の内容 時間
1.自動車の構造と生産 2
  駆動系 車体系 操縦系 エンジン鋳造  車体プレス 車体溶接 塗装 組立(艤装) 検査
2.自動車用材料の種類と特徴 2
 鉄鋼材料 アルミニウム合金 ステンレス排気管 ポリプロピレンバンパー 
 自動車用鋼板 アルミニウム合金ばね 内装材料(シート、インスツルメントパネル) ガラス ゴム 
プラスチック材料
 熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチック
 非結晶性プラスチック 結晶性プラスチック
3.材料の強度・変形のメカニズム
 金属の変形と塑性力学の基礎  3.1弾性、塑性、破断 3.2転位 3.3応力-ひずみ曲線 3.4降伏条件 2
4.成形加工応用製品 
 1身の回りの成形加工品  アルミ箔、なべ、スプーン、飲用缶、ペットボトル、ラップ 2
 2建築土木に使われている成形加工品   サッシ、鉄筋、H形鋼、ブルーシート、断熱材
 3自動車、家電に使われている成形加工 自動車ボディ、冷蔵庫本体、LSI、ノートPC筐体、基板
5.自動車生産における金属成形  車体のプレス成形 2
6.プラスチック成形加工の基礎 2
 流す・形にする・固める    
7.流動工程 2
 熱伝導と対流伝熱   スクリュー加熱のメカニズム 摩擦熱と塑性加工による発熱
 非結晶性プラスチックの流動化  結晶性プラスチックの流動化
 樹脂材料の流動特性(緩和時間、高分子の回転流動、粘度)
8.変形工程 2
 ばねモデルとダッシュポットモデル 
 マックスウェルモデル(応力緩和)とフォークトモデル(クリープ)
組み合わせモデル
 形状記憶現象と寸法安定性
9.形状付与プロセス 2
 射出成形 押出成形 ブロー成形 
10.形状固定化工程 2
  非結晶性プラスチックの形状固定化   結晶性プラスチックの形状固定化
11.動的粘弾性 2
  緩和時間の測定  非結晶性プラスチックに適用されるWLFの法則
12.成形加工における移動現象 2
  個体輸送部  溶融部  溶融体輸送部
13.熱硬化性プラスチック成形法   2
14.金型 14.1金型の種類と構造 14.2射出成形金型 14.3プレス成形金型    2
15.プレゼンテーション 2

(続き)
教科目名
成形加工学
Plasticity and Molding Engineering
授業の内容 時間
学年末試験 1
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
教科書
プラスチック成形加工学の教科書(井沢省吾):日刊工業新聞社
補助教科書
塑性加工入門(日本塑性加工学界編):コロナ社、プラスチック成形加工基礎と実務(有方広洋):日刊工業新聞
履修上の注意
物理・化学・材料学等の科目を履修していることが望ましい。
評価基準
自動車部品の生産工程を説明できること。成形加工による自動車の生産工程を説明できること。
評価法
定期試験70%,プレゼンテーション30%
学習・教育目標 東京高専
C-6
JABEE
(d)