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教科目名
線形空間論
Theory of Linear Spaces
担 当 教 官 井口 雄紀
学年、学科等 1年 専攻科一般・共通 通常講義
単位数 期間 選択 2 単位 前期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
 本科の線形代数学で触れる機会のなかったヒルベルト空間について学ぶ。講義で使うテキストは英語で書かれてお
り、自然科学における英語による表現に触れる良い機会となるだろう。抽象化されたベクトル空間を具体例を
通し理解すること、とくに基底と次元の計算が出来るようになることが目標である。また、ユークリッド空間におい
て計量の概念を抽象化したヒルベルト空間についても少し触れる。時間に余裕があれば、量子力学(ハイゼンベルグ
の不確定性原理)への応用を説明する。
カリキュラムにおける位置づけ
本科 3 年までに学んだ数学, 特に線形代数学I, IIの知識を前提とする.
さらに内積を学ぶ際、その計算において解析学A、Bの知識を必要とする。
授業の内容 時間
0. 線形空間論の概観 1
1. R^n におけるベクトルの復習 1
2. R^n がもつ代数的構造の抽象化、そして(抽象)ベクトル空間の定義 2
3. ベクトル空間の公理と具体例 4
4. ベクトル空間の基底と次元の定義およびそれらの計算 6
5. R^n 上の線形変換の復習 2
6. 一般のベクトル空間の間の線形写像とその像(Image)と核(Kernel) 6
7. ベクトル空間上の内積の定義と内積から定まるノルム、距離、角度による計量 4
8. ヒルベルト空間の定義と構成法およびその典型例 2
9. ヒルベルト空間の量子力学への応用 1
前期末試験 1
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
教科書
Linear Algebra(Serge Lang著・Springer ISBN:0-387-96412-6)
工学系学生のためのヒルベルト空間入門(高橋宣明著・東海大学出版部 ISBN:978-4-486-01477-5)
補助教科書
ラング線形代数学(Serge Lang著 芹沢正三訳・ダイヤモンド社)
履修上の注意
講義ではできるだけ具体例を示すよう心掛けるが、自ら手を動かして理解して欲しいので、講義で出てくる簡単な計算をレポートとして課すことがある。
また、証明は冗長にならぬよう努めるが、その背景と手法にぜひとも興味をもってほしい。
評価基準
抽象ベクトル空間の概念を具体例を通して理解し、ヒルベルト空間の性質を調べるための基底、内積の計算ができる。
評価法
定期試験75%,レポートなど25%
学習・教育目標 東京高専
C-1
JABEE
(c)