国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
特別研究Ⅱ(個表6)
Advanced Research in Electrical and Electronic Engineering
担 当 教 官 舘泉雄治
学年、学科等 2年 専攻科電気電子専攻 実験
単位数 期間 12 単位 通期 (合計 540 時間)
授業の目標と概要
電気電子工学とその応用分野である情報工学や情報セキュリティ、人間工学の理論を理解し、その先にある応用技術を演
習・実習を通じて学修する.問題解決のための理論展開、それを検証するためのシミュレーション技術や検証実験、更には実
際にシステムを構築して検証するための実践的なものづくり能力及び、課題解決能力を育成する.システム構築において
は、単に機能を実現するだけではなく、セキュリティの確保や長期に安定運用するためのスキルやセンスを習得させ、更に
倫理的な感覚,討論のスキルや問題点の抽出能力を習得させ、自ら学び続ける能力を養う.
カリキュラムにおける位置づけ
本科5年次の卒業研究および専攻科1年次の特別研究Ⅰで,それぞれ学修した電気電子工学に関する総合的な研究開
発能力を育成するため,担当教員のもとで特別研究Ⅱを学修総まとめ科目として通年で行う.
授業の内容
【課題】
 コンピュータ・ネットワークシステムの構築とその評価に関する研究
【概要】
 新たなヒューマンインターフェイス技術やシステムをゼロから構築し、その過程で自ら課題を考え研究を進めてい
く問題解決能力を養う.まず身近にある不便なこと、技術的に未熟だと思えることを題材とした徹底したブレーンス
トーミングを行う.その上で、その問題点を調査し、解決・改良する新たな手法・システムを考案させる.再びブ
レーンストーミングを行い、これを繰り返すことで課題や手法を明確化し、今後行うべき研究内容を確定する.押し
付けのテーマではなく、自ら感じる問題点を起点とすることで創造的な発想が期待される.次の段階として、実際の
技術開発、システム構築の実現性についての検証を行い、新技術提案の範囲、シミュレーションや構築するシステム
の規模、そして最終的な検証方法などを検討する.これらの検討は経験の浅い学生には難しいが、参考になりそうな
過去の事例を多数紹介し、また、様々なアドバイスを行いながら、最終的には学生自ら決定させる.実際に研究を進
めると、当初の予想以上に困難な状況が発生するが、これらの問題を一つ一つ解決していく過程で、調査能力、基本
的なスキル・センス、探求力、粘り強さなども養う.
【キーワード】
 ネットワーク、インターネット、クラウドコンピューティング、セキュリティ、ヒューマンインターフェイス
【計画】
・学生は専攻科1年次の特別研究Ⅰで興味のあるテーマを選び,研究を遂行し,1年次の特別研究Ⅰを継続して,1
年間にわたりその分野を専門とする担当教員から特別研究Ⅱの指導を受ける.授業は学生が主体的にPDCAサイク
ルをまわすことにより進める.・特別研究Ⅱの前期授業時間割表を設定する.(4月・取り組むテーマの内容, 特に
その背景や具体的な問題点を把握する.問題点などを明確化するため、教員と他学年を含む研究室の学生全員による
ブレーンストーミングを実施し,他学生への説明準備による問題点の整理,別視点からの意見による多角的な見方も
養う.(20時間)・具体的な問題解決手法,評価方法,および実験方法について理解し,計画的に実行する.机上
だけでは想像できない部分に関しては、予備実験も積極的に実施する.(50時間)
・研究を進める上で必要な実験装置やソフトウェアの使用法について理解し,適切に操作し,使用する.必要に応じ
て,メーカなどで実施している講習会への参加も促す.また,OSやミドルウェア,開発環境などの現状と動向につい
ての調査も行う.(50時間).
・期待通りの成果(性能)が得られなかった場合,その原因を考察し,新たな問題解決方法,評価方法,および実験
方法について理解しに実行する.なお,週一回程度は研究室全体でのブレーンストーミングを実施し,全員での問題
点の共有とアイディアの創出を促す.また,関連する分野の最新のセキュリティ事情に関する調査も行う.(110
時間)
・特別研究Ⅱ中間発表の準備.(6月~7月)(30時間)
・特別研究Ⅱ中間発表会で要旨を提出し,成果発表を行う.発表形式は学会の講演形式に準じたものとする.(6月
~7月)(10時間)
・特別研究Ⅱの後期授業時間割表を設定する(10月).

(続き)
教科目名
特別研究Ⅱ(個表6)
Advanced Research in Electrical and Electronic Engineering
授業の内容
・特別研究Ⅱ中間発表会で指摘された内容および未着手の課題について,実験および考察を計画的に遂行する.必要
に応じて,セキュリティ確保の視点,および,長期に安定した運用を行うという視点からのシステムの再構築を行
う,(200時間)
・特別研究Ⅱ最終発表の準備.(1月~2月)(30時間)
・特別研究Ⅱ最終発表会で要旨を提出し,成果発表を行う.発表形式は学会の講演形式に準じたものとする.(1~
2月)(10時間)
・特別研究Ⅱ論文を提出し,指導教員の査読を受ける.
修正が必要な場合は,修正後論文を再提出し,再度指導教員の査読を受ける.(1~2月)(25時間)
最終発表及び中間発表の英文abstractは英語科教員と担当教員が共同で指導する.(5時間)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
教科書
特別研究担当教員による
補助教科書
履修上の注意
専攻科1年次の特別研究Ⅰを履修していること.
評価基準
「研究の達成度と研究室での研究態度評価書」,「特別研究論文報告書」,「発表と要旨集」ごとに評価を行い,それぞれの評価について60%以上の評価を得た者をこの科目の合格者とする.
評価法
研究の達成度と態度,発表と要旨集,特別研究論文
学習・教育目標 東京高専
C-2,C-3,C-7,C-8,C-9,C-10,C-11,C-12,C-13,D-5
JABEE
(c)(d)(e)(h)