国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
科学技術史
History of Science and Technology
担 当 教 官 河村 豊
学年、学科等 3年 一般教育科(人文系) 通常講義
単位数 期間 必修 2 単位 通期 週2時間 (合計 60 時間)
授業の目標と概要
この講義では,現代社会に大きな役割を持っている「科学技術」(Science Based Technology)の諸特徴を,歴史学
的手法(世界史の知識)を利用することで,読み解くことを目標とする.科学技術は,生産力発展に関わる「技
術」,やがて新技術開発に利用される「科学」を構成要素としているが,現在は両者が融合していると考えられる.
この融合までの過程を,「技術論」(技術について理解する学問),「科学技術社会論」(科学技術と社会・経済と
の関連を理解する学問)に関わる基礎概念に触れながら,段階的に勉強してゆく.
カリキュラムにおける位置づけ
本校の社会科系基礎科目(倫理思想,政治・経済,日本史)の履修を前提とする.
授業の内容 時間
科学技術史(A) 14
テーマ: 科学・技術からみた古代社会.
 主に「社会の中の科学,技術」を理解するための基礎的な学習を行う.
この期で扱う主な学習内容:
 具体的には,古代社会から中世社会の科学および技術を扱い,①人類進化と技術との関わり,②技術がそ
の時代の社会制度にもたらした役割,③科学や技術がその時代の社会制度から受けた影響などを分析してゆ
く.
この期で扱う主な事例: 
 1.人類の起源と最古の技術
 2.古代文明社会と科学・技術
 3.古代ギリシア社会と科学・技術
 4.古代ローマ社会と科学・技術
前期中間試験 0.5
科学技術史(B) 15
テーマ: 近代社会(初期)の中の科学と技術
この期で扱う主な学習内容:
 17世紀に引き起こされる「科学革命」(Scientific Revolution)を主題として,近代科学が形成されるプ
ロセスを,ダ・ヴィンチ,コペルニクス,ガリレイ,ニュートンなどに注目しながら説明する.科学革命の
本質を理解することを課題とする.
この期で扱う主な事例:  
 1.中世社会と科学・技術
 2.ルネサンスと科学革命前夜
 3.科学革命と近代社会
 4.科学革命とその限界 
前期末試験 0.5
科学技術史(C) 14
テーマ: イギリス産業革命と技術
この期で扱う主な学習内容:
 18世紀に引き起こされたイギリス産業革命(Industrial Revolution)を主題として,道具,機械,あるい
は動力機,作業機などに注目して産業革命の本質を理解する.実習や映像講習などを加えて,どのような技
術が産業変革を引き起こし易いのかなどについても,考察を加える.
この期で扱う主な事例: 
 1.近代社会の産業発展
 2.道具と機械の区別

(続き)
教科目名
科学技術史
History of Science and Technology
授業の内容 時間
 3.作業機と動力機の区分
 4.動力機発展における水車,蒸気機関の区分
 5.工作機械登場の歴史的役割
 6.「エンジニア」の登場
後期中間試験 0.5
科学技術史(D) 15
テーマ:科学依存型技術の起源
この期で扱う主な学習内容: 
 19世紀には,「科学依存型技術」と呼ばれるあたらしいタイプの技術が登場した.これらは現代技術の
基礎となるもので,どのような社会的要求から,あたらしい技術が登場し,社会に定着したかをイギリス,
フランス,ドイツ,アメリカなどを事例に取り上げる.
この期で扱う主な事例: 
 1.第2次科学革命
 2.科学依存型技術の登場
 3.アメリカ産業革命とアメリカン・システムの形成
 4.ドイツ型科学国家の形成
 5.戦争と科学技術
学年末試験 0.5
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
教科書
授業中に毎回,教科書として利用するプリントを配布する.
補助教科書
山川出版社『詳説 世界史B』
履修上の注意
科学技術史の履修に求められることは,①基礎的知識をおぼえること,②科学技術史に必要な基本的な考え方を理解すること,である.授業中に配布するプリントの課題を確実に解くことが不可欠である.また,成績評価は、主として4回の定期試験に加え,年2回のレポート,および講義中の課題を提出.
評価基準
授業で行った科学技術史に関わる基礎的知識を身につけ,①プリント資料を理解し,②補助教科書の所定カ所を理解し、③自分で資料を熟読し、④出題された課題に論理的に答えることができること.
評価法
定期試験80%,レポートなど15%,授業中の課題5%
学習・教育目標 東京高専
D-5
JABEE
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