国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
特別研究Ⅰ
Advanced Research in Chemical Science and Engineering
担 当 教 官 北折典之 教授(他9人)
学年、学科等 1年 専攻科物質専攻 実験
単位数 期間 必修 4 単位 通期 (合計 180 時間)
授業の目標と概要
材料、環境・生物を化学の視点でとらえ,新規材料の開発と製造,環境浄化と環境管理,バイオ製品の開発と製造に
関する知識と技術を教授し,「ものづくり」のできる実践的な開発応用能力を育成する.修了後も新しい知識や技術
を積極的に吸収できる基礎能力を養成する.
カリキュラムにおける位置づけ
本科5年次の卒業研究および専攻科1年次の特別研究Ⅰ並びに本科・専攻科4年の学修を総括する科目として,担当
教員の個別指導の下,より専門性の高いテーマに主体的に取り組む.成果発表は学内外の専門家を招いた発表会で行
うことで外部からの意見を積極的に取り入れる.これらをまとめ論文を提出する.
授業の内容
石井 宏幸「化学反応装置におけるスケールアップに関する研究」
異なる化学反応装置における装置内の流体流れや化学反応の関係について検討する.実験的検討や理論的解析によっ
て装置間の特性を評価する.また,外部の専門家と議論する機会を設ける.
                                                    
北折 典之「無機化学および電気化学を利用した材料に関する研究」           
我々を取り巻く環境汚染などの課題に対し,無機化学および電気化学を利用した材料を学習し,その無機材料を用い
て課題解決に対する検討を行う.具体的には,水溶液の電解により生成した電解水や試薬調整をした薬液を用いて殺
菌、消臭および脱色を行う装置の研究開発とその応用技術について検討する.
高橋 三男「マイクロ酸素センサの開発と植物の空隙組織形成に関する基礎研究」    
植物の根は灌水時に空隙組織を形成する.マイクロ酸素センサを使って,酸素に関わる空隙組織形成のメカニズムを
解明する.
高橋三男「固体酸化物触媒に関する研究」                        
化学センサーへの応用やエネルギー・環境問題の解決を目指した新規な固体酸化物触媒の開発を行う.合成した触媒
の構造・表面特性や性能評価のために,さまざまな分析機器や物理化学的アプローチを用いる.
          
土屋 賢一「量子論の手法を用いた固体物性の研究」
固体の様々な性質を量子論の立場から,理論的及び実験的に研究する.特に伝導電子や不純物の挙動に着目する.そ
の際,計算機シミュレーションによる物性予測も踏まえ,研究を進める.
 
町田 茂 「有機材料の機能化の研究」
有機化合物の電子状態や分子間相互作用に着目して機能発現が期待される分子構造を設計して合成を行う.また,得
られた化合物の光学特性や電気化学特性などの物性を評価する.さらに,物性評価の結果を次の分子構造の設計に反
映させ,より効率の高い電子デバイスや光デバイスの実現を目指す.
                                                  
中川 修「高分子合成と生成ポリマーのキャラクタリゼーションに関する研究」                
アニオン重合およびラジカル重合による高分子合成を行う.生成ポリマーの構造をSECおよびNMRを用いて解析
する.高分子合成の条件が異なれば,生成ポリマーの構造は違ったものとなり,構造が異なれば物性も変化する.合
成―構造解析―物性評価の一連の実験を通して,材料開発に必要なスキル,および,課題解決法の設計能力を養う.
伊藤篤子「細胞運動および形態形成に関与する構造タンパク質の生化学的解析」           
主に海産無脊椎動物を用いて細胞運動および形態形成に関与する構造タンパク質を生化学的, 分子生物学的に解析
し, これらの現象を明らかにする.
                                              
庄司 良「新しい環境評価と環境管理体系の構築に関する研究」
検証する環境の場として,水環境,土壌環境を想定し,その環境下に生息する種々の生物相や存在する化学物質の動

(続き)
教科目名
特別研究Ⅰ
Advanced Research in Chemical Science and Engineering
授業の内容
態,相互作用を考慮して,これからの環境管理に必要な評価手法や解析手法を体系化する.
城石 伸英「持続可能なエネルギー源に関連する材料の研
究」
新エネルギーに関連する材料として,燃料電池と人工光合成に主に着目して研究を行う.燃料電池材料として,貴金
属触媒の新規合成法の開発や,非貴金属系触媒の開発を行う.また,アンモニアなどの従来利用できなかった物質を
燃料として利用するための触媒の開発を行う.また,新規電解質の開発とその評価を行う.人工光合成関連材料とし
て,光触媒とその助触媒の研究開発とその評価をおこなう.また,二酸化炭素や窒素固定に関する触媒の開発を行
う.
           
城石 英伸「固液界面の分子構造・反応のその場追跡」                           
固液界面、特に電極のようなエネルギー・物質変換を行う界面の作製と電気化学特性の評価を行う.また固液界面にお
ける化学反応を表面赤外・ラマン分光法を用いたその場・実時間観察で明らかにする.
                                             
山本 祥正「天然ゴムの高度利用に関する研究」
天然ゴムに含まれるタンパク質の効率的な除去方法やタンパク質の定量方法を開発する.また,得られた脱タンパク
質化天然ゴムを原料として,機能性有機材料を創製することを目指す.
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
教科書
教科書:物質工学特別研究担当教員による.
補助教科書
履修上の注意
研究のタイムマネージメントができるようになること。
専攻科生の自覚を持って、本科5年生の模範となること。
評価基準
研究中に生じた問題を解決することができる.研究を通じて,新たな課題を発掘することができる.研究を通じて,創造性に富む目標を見出すことができる.評価法の各項目60%以上で「合」と認定する.
評価法
研究達成度と研究態度,発表と要旨集,特別研究論文
学習・教育目標 東京高専
C-2,C-3,C-7,C-8,C-9,C-10,C-11,C-12,C-13,D-5
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