国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
無機固体化学
Inorganic Solid State Chemistry
担 当 教 官 北折 典之
学年、学科等 2年 専攻科物質専攻 通常講義
単位数 期間 選択 2 単位 前期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
前半は、固体の関与する無機反応に関して学習する。後半は、固体無機化合物が示す特性(物性)、例えば磁性、電
気導電性、圧電性および薄膜材料の特長などについて学習する。固体の関与する化学反応、固体物性の基礎を理解
し、身につけることが本教科の目的。
カリキュラムにおける位置づけ
(1)特徴のある固体の関与する無機反応を理解し、(2)固体物性に関して理論的理解と応用例を学ぶ。
無機化学の工業上の応用例としては、半導体、焼結体など固体反応が多い。本講義は本科の無機化学をさらに固体に
絞って学習することに意味がある。
授業の内容 時間
1.固体の関与する無機反応: 無機固体化合物の代表する現象を反応からとらえて学習する。 3
 (1)格子欠陥
   ・熱による欠陥、雰囲気による欠陥、添加物による欠陥に関し、構造とその特性を学ぶ。 3
 (2)導電率と活性化エネルギー
   ・温度の変化に伴う電気導電率の変化から、エネルギーギャップを求める。 3
 (3)トポタキシーと核成長
   ・無機化合物はその形骸が重要な場合が多い。形状を保ったままの相転移に関し理解する。 3
 (4)焼結
   ・セラミックスの焼結現象に関して学ぶ。 2
 (5)微粒子
   ・微粒子の作製とその特徴について学習する。
前期中間試験 1
2.固体物性: 固体無機化合物の代表的な固体物性を学ぶ。 5
 (1)磁性材料(ソフト、ハード)
   ・代表的な磁性材料であるフェアライトに注力し、ソフトフェライト(軟磁性)とハードフェライ
    ト(硬質磁性)について学習する。
   ・磁気記録媒体 3
 (2)電子材料(圧電性、焦電性)
   ・無機固体電子材料の代表的な特徴である、圧電性と焦電性に関して理解する。 6
 (3)薄膜材料
   ・基本的な薄膜技術とその応用を学ぶ。
   ・真空技術
   ・薄膜技術(CVD,PVD)
   ・薄膜材料の特性
前期末試験 1
   
教科書
プリント配布
補助教科書
履修上の注意
無機化学Ⅰ、Ⅱ、物理化学および数学の基礎を復習して十分理解しておくこと。
評価基準
大学4年生レベルのテキストや学術論文、解説などを使用して授業を行う。
これらの理解度を試す下記試験評価法で60点以上をとること。
評価法
定期試験100%
学習・教育目標 東京高専
C-4,C-6
JABEE
(c)(d)