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教科目名
線形空間論
Theorey of Linear Spaces
担 当 教 官 清藤 晃
学年、学科等 1年 専攻科一般・共通 通常講義
単位数 期間 選択 2 単位 前期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
 本科の線形代数学で触れる機会のなかった複素ベクトル空間C^nについて学ぶ. C^nにおける内積を定義し, 正規
作用素について調べる. 特にユニタリ作用素とエルミート作用素を理解するのが目標である.
 これらの最良の応用は量子力学である. たとえば, Heisenberg-小澤の不確定性原理は, 粒子の位置と運動量に対
応する自己共役作用素の非可換性から説明される. 本講義でそれらに触れる余裕はないが, 各自で物理や専門学科
の教員に尋ねてほしい。喜んで教えてくれるはずである.
カリキュラムにおける位置づけ
本科 3 年までに学んだ数学, 特に線形代数学I, IIの知識を前提とする.
授業の内容 時間
1. C^n上の内積, ノルム, 距離. 6
2. 正規直交系とC^nの線形作用素. 5
3. 正規作用素の対角化可能性. 4
4. 正規作用素の固有値, 固有ベクトル. 3
5. エルミート作用素と正規作用素のスペクトル分解. 3
6. 正規作用素の性質のユニタリ作用素への応用. 3
7. 作用素の可換性. 3
8. その先への展望. 2
9. 量子力学への応用の紹介. 1
前期末試験 1.5
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
教科書
随時, 予稿 (PDF and/or 印刷物) を配布する.
補助教科書
線形代数と量子力学(竹内外史著・裳華房 ISBN-13: 978-4-7853-1126-1)
履修上の注意
講義ではできるだけ具体例を示すように心掛けるが, 自ら手を動かして計算してみるのが理解への早道である.
そして, 簡単な証明にも興味をもってほしい。
評価基準
複素ベクトル空間の概念を理解し,ユニタリ作用素やエルミート作用素の性質を調べるための計算ができる.
評価法
定期試験75%,レポートなど25%
学習・教育目標 東京高専
C-1
JABEE
(c)