国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
知識工学Ⅱ
Knowledge Engineering II
担 当 教 官 鈴木 雅人、北越 大輔
学年、学科等 4年 情報工学科 通常講義
単位数 期間 必修 3 単位 通期 週4時間 (合計 60 時間)
授業の目標と概要
知識工学Ⅱでは,これまで学習してきた確率や統計等の知識を用いた,パタン認識理論や予測・推論の仕組みに
ついて学んでいく.また,そのような仕組みを習得する過程で,人工知能分野における基盤の一つである
「学習」についての理解を深める.
カリキュラムにおける位置づけ
確率・統計ⅠおよびⅡで習得した知識を主な基盤として,パタン認識理論の初歩を学習する.また,未来の事象の
確率的予測,結果から原因を確率的に推測する方法について学びながら,適切な予測が可能な確率的ネット
ワークの構築法と,ネットワークを利用した基本的な推論法を習得することを目指す.
授業の内容 時間
1.機械学習の基礎 6
   人工知能分野における機械学習の位置づけを理解し,機械学習の基本的事項についてまとめる.
2.確率推論 4
   機械学習で実現する確率推論に用いられる基本的計算法とベイズ統計学の基礎について解説する.
3.実践的な確率推論 2
    確率推論時に用いられるベイズの定理,およびその一般形について解説する.
前期中間試験 1
4.ベイジアンネットの基礎1 6
    確率的ネットワークの一つであるベイジアンネットの定義や特徴についてまとめる.
5.ベイジアンネットの基礎2 4
   方向依存性分離によるノードの条件付独立性判定について解説する.
6.ネットワークモデルの構造学習 2
   データからネットワーク構造を決定する基準について学び具体的な構造学習法について解説する.
7.ネットワーク構造を利用した確率推論法 2
   ネットワーク構造を用いた確率推論法として,サンプリング法と信念伝搬法について解説する.
8.ベイジアンネットの応用・その他の機械学習法 2
   現在のベイジアンネット研究のトレンド,応用分野について紹介する.また,
   その他の機械学習手法の特徴と,ベイジアンネットとの違いについて解説する
前期末試験 1
9.パタン認識の概要 2
   知識工学Ⅰの内容をもとに,パタン認識全般についての概要を学ぶ.
10.主成分分析と線形判別分析 6
   パタン認識で用いる特徴空間において,パタン識別に有用な成分抽出法と,得られた特徴を
   用いた線形判別分析について学習する. 6
11.演習
   主成分分析,線形判別分析を実装し,それらの効果を検証実験により確かめる.
後期中間試験 1
12.識別関数の設計 6
   統計的考察に基づく識別関数の設計方法について学ぶ.代表的な識別関数として,
   マハラノビス距離,ベイズ識別関数を取り上げ,利点・欠点について理論的に考察する.
13.実験 8
   識別関数を実装し,それらの効果について考察を行う.
学年末試験 1
   
   

(続き)
教科目名
知識工学Ⅱ
Knowledge Engineering II
教科書
必要に応じてプリント配布
補助教科書
松原 望 著,入門 ベイズ統計 -意思決定の理論と発展-
履修上の注意
この科目は60時間の授業と30時間の自学自習を合わせて3単位認定する学修単位科目である.
知識工学Ⅰおよび確率・統計Ⅰ・Ⅱの内容を良く復習しておくこと.
評価基準
本科目を履修するにあたって必要な数学的基礎知識および,それらを使った理論の展開が出来るかどうかによって合否を判定する。
評価法
定期試験70%,レポートなど30%
学習・教育目標 東京高専
B-1,B-2,C-1,C-6
JABEE
(c)(d)(f)(h)