| 授業の目標と概要 |
| ディジタル通信などで利用される符号の生成や特性について理解するための基礎として,整数の基本的な性質や, |
| 群・環・体といった代数系の基礎理論を修得することを目標とする。また,有限体上で定義される2進系列としてM |
| 系列やハミング符号など,情報通信分野に応用される符号系列を取り上げ,その性質と原始多項式の関係などについ |
| て明らかにする。 |
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| カリキュラムにおける位置づけ |
| 特に事前知識は必要としないが,mod 演算や情報数学Iで学んだ集合や写像の概念を復習しておくことが望ましい。 |
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| 1.集合と写像の復習 |
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| ・集合 ・和集合 ・共通部分 ・直積 ・集合の差 ・部分集合 |
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| ・2項関係 ・同値関係 ・同値類 ・分割 ・商集合 |
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| ・写像 ・関数 ・定義域 ・値域 ・像 ・逆像 ・逆写像 |
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| ・全射 ・単射 ・全単射 ・制限 ・合成写像 ・順序集合 |
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| 2.群 |
4 |
| ・群 ・結合則 ・単位元 ・零元 ・逆元 ・交換則 ・可換群 |
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| ・加法群 ・乗法群 ・部分群 ・剰余類 ・剰余群 ・商群 |
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| ・準同型写像 ・同型写像 ・生成元 ・巡回群 ・位数 |
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| 3.環 |
2 |
| ・環 ・可換環 ・部分環 ・体 |
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| 4.整数論の基礎 |
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| ・整数の除法 ・ユークリッドの互除法 ・合同式 ・1次合同式 |
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| ・フェルマーの小定理 ・オイラー関数 ・オイラーの定理 ・原始根 |
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| 5.多項式環 |
4 |
| ・次数 ・多項式環 ・モニックな多項式 |
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| ・多項式の加法と乗法 ・多項式の除法 ・既約多項式 ・原始多項式 |
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| 6.体 |
4 |
| ・体 ・拡大体 ・部分体 ・有限体 |
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| ・原始根と原始多項式 ・多項式の周期 |
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| 7.系列や符号・暗号理論への応用 |
4 |
| ・ランダム性 ・擬似乱数系列 ・周期相関関数 ・線形帰還シフトレジスタ |
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| ・M系列とその性質 ・M系列の生成多項式 ・M系列から派生した系列 ・M系列の応用 |
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| ・有限体の符号理論への応用 ・代数学の暗号理論への応用 |
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| 教科書 |
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| 補助教科書 |
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| 履修上の注意 |
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原則として,授業の最後に問題演習を行なう。 演習の解答は提出を求めるので,毎回A4のレポート用紙を用意すること。
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| 評価基準 |
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有限体と原始多項式の概念について理解し,3〜4次程度の多項式を用いた具体例に関する演習問題を解ける。M系列の生成ができ,擬似乱数としての性質を理解する。
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| 評価法 |
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| 学習・教育目標 |
東京高専 |
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JABEE |
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