国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
情報通信工学
担 当 教 官 神谷幸宏、伊藤彰
学年、学科等 5年 電気工学科 通常講義
単位数 期間 選択 1 単位 前期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
 近年,インターネットや携帯電話をはじめとする通信技術が日常生活において重要な役割を果たしている.「情報
通信工学」では,それらを支える技術や考え方について理解することを目標とする.そこで重要なのは,“信号”や
“確率”など,目に見えないものをイメージし,考えることである.一般にそれは難しいが,ここでそれらの重要な
概念を身につけることで,通信工学のみならずさまざまな分野に役立つ考え方を習得できる.
カリキュラムにおける位置づけ
前提となる知識:4年次に学習した応用数学I,II(特にフーリエ級数とフーリエ変換).今後活用する分野:卒業研
授業の内容 時間
1. イントロ:本講義の概要及び通信技術の現状を概説する.また,本講義で学ぶ内容が現在の通信 14
術の中でどのような位置づけにあるかを理解する.
2. 信号表現の基礎:信号をいかに表現するか,という根本的問題について理解する.
3. ディジタル通信とアナログ通信:それぞれの特徴及びシステムのイメージを理解する.
4. サンプリング定理:サンプリング定理は,アナログ世界(実世界)とディジタル世界(ある意
味,
虚世界)との矛盾のない橋渡しをする理論として非常に重要である.その真の意味を様々な角度から考えて
みる.
5. 周波数領域と時間領域の考え方の関係:明確な把握と理解が難しい周波数領域の減少を時間領域
対応させて説明し,周波数領域の減少のイメージを明らかにする.このことは通信工学の諸技術を理解する
のに非常に重要である.
6. 変調方式1(アナログ変調):AM, FM, PAM等のアナログ変調を理解する.
7. 変調方式2(ディジタル変調):PSK等のディジタル変調を理解する.
前期中間試験 1
8. 多元接続方式1:CDMA,TDMA,FDMA等,現在の通信システムで重要な役割を果たしている多元接 14
方式について理解する.
9. 多元接続方式2:多元接続方式の中で,CDMAを取り挙げ,特に詳しく説明する.
10. OFDM1:OFDMは地上波ディジタル放送や無線LANで採用されている重要な方式である.この技術を
理解するため,無線通信におけるマルチパスフェージングについて理解する.
11. OFDM2:フェージングという現象を踏まえた上で,OFDMのしくみについて説明する.
12. 誤り訂正符号,検出符号1:ディジタル通信において果たす役割と概念について理解する.
13. 誤り訂正符号,検出符号2:これらの例としてハミング符号,巡回剰余符号について説明する.
14. インターネットの技術:通信の「層構造」の概念を理解し,インターネットを構成する諸技術に
いて理解する.
15. 近年の通信技術の開発動向:第4世代携帯電話や無線LANをはじめとする通信技術の最新動向につ
て説明する.
前期末試験 1
   
   
   
   

(続き)
教科目名
情報通信工学
教科書
書名:MATLABによるディジタル無線通信技術、 著者:神谷幸宏、 発行所:コロナ社
補助教科書
授業中に適宜紹介する.
履修上の注意
フーリエ変換の考え方,及び確率の概念について理解しておくこと.
評価基準
中間試験と定期試験の平均点(100点満点)で評価する.95点以上はS,80点以上はA,80点未満70点以上はB,70点未満60点以上はC,60点未満はD.ただし,欠課が1/3超は不合格.
評価法
定期試験100%
学習・教育目標 東京高専
C-6
JABEE
(d)