国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
米国社会経済史
担 当 教 官 浅野 敬一
学年、学科等 4年 一般科目(人文系) 通常講義
単位数 期間 選択 1 単位 後期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
米国の歴史は、政治的・社会的には、「自由」と同時に「差別」の歴史でもある。黒人(アフリカ系)としては初めて
の大統領であるバラク・オバマが就任したが、このことは変わらない。一方、経済面に目を向ければ、現代の物質的豊
かさの源流ともいえる大量生産システムを生み出したが、そこには環境・資源問題の起源もある。本講義は、植民地時
代から現在に至る米国経済史を多面的に考察していく。
カリキュラムにおける位置づけ
倫理思想、政治・経済、科学技術史を中心に、社会系科目の基礎知識をもとに、具体的な問題の分析に取り組むもので
ある。また、多様な矛盾やジレンマを乗り越えて解を模索する過程は、工学倫理(4年)と関連する部分もある。
授業の内容 時間
はじめに 1
1.合衆国経済の成立とエスニック・マイノリティー 2
 独立から独自の経済を形成する過程において、奴隷制が導入された要因を考察する。
2.奴隷制の拡大と南北対立の激化 2
 奴隷制が西部へ拡大した過程を考察する。
3.南北戦争と奴隷解放宣言 2
 南北戦争と奴隷解放宣言を経済利害対立の観点から再考する。
4.米国経済の拡大と大企業の登場 2
 19世紀後半に登場した装置型産業(鉄鋼や石油)を分析する。
5.大量生産と大量消費 4
 20世紀初頭には耐久消費財産業(自動車や家電)の分野でも大量生産が始まった。人々の暮らしに与えた
 影響を含めて考察する。 4
6.大恐慌
 大恐慌の発生要因と脱出に向けた模索の過程(新たな経済政策)を考える。 6
7.パクス・アメリカーナとその裏側
 第二次大戦後の米国は、比類なき経済力を有していた。しかし、繁栄の裏側では、人種問題を抱え、次第に 4
 ベトナム戦争の泥沼に陥っていく。パクス・アメリカーナといわれた全盛期を負の側面を含めて考察する。
8.70年代の変化
 米国経済の相対的地位が低下する一方で、女性解放や環境問題といった新しい社会運動が高揚した時代を考 2
 察する。
9.授業のまとめとディスカッション
 各自がまとめたレポートをもとにディスカッションを行う。
 
学年末試験 1
   
   
   
   
   
教科書
レジュメを配布する。
補助教科書
履修上の注意
映画等の映像資料のほか、一部英語文献も使用するので、自発的な受講姿勢を期待する。また、授業後半では、グループ・ディスカッションの機会もあるので、議論への積極的な参加が求められる。
評価基準
1.米国経済史の主要事項を理解していること、2.問題に対して多様な視点から解決策を考察・提示できること(グループ・ディスカッション等に基づき多用な見解を総合できること)。
評価法
定期試験70%,レポートなど30%
学習・教育目標 東京高専
JABEE