国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
デジタル回路
 
担 当 教 官 小池 清之、一戸 隆久
学年、学科等 3年 電子工学科 通常講義
単位数 期間 必修 2 単位 前期 週4時間 (合計 60 時間)
授業の目標と概要
概要:デジタル回路の基礎を、出来るだけ最小限の専門用語に限定して、実験を通して体験的に学ぶ。毎回、前の週の
内容を確認する小テストを行い、自分の理解度を自覚できるよう配慮する。履修前の知識としては、日常の体験の中に
もブール代数的な論理思考があることからスタートするため、中学校レベルの数の概念と日常的な常識があれば十分。
目標:ブール代数による数式から、回路図を誘導することができ、回路図を元に、実際にデジタルICを用いた回路を製
作することができるようになることを目標とする。
カリキュラムにおける位置づけ
本教科は3年後期以降の関連科目において、高度な理論的手法を学ぶための導入としての役割を担う。また、ディジタ
ル技術分野におけるものづくりの基本事項を体験的に習得させ、以後の実習科目の基礎を築く。
関連科目:コンピュータ工学、プロジェクト演習、コンピュータ応用
授業の内容 時間
①ガイダンス、0と1だけの世界の不思議、基本論理素子Ⅰ 4
②基本論理素子Ⅱ、デジタルICの使い方 4
③AND、ORのいろいろな性質、ド・モルガンの定理 4
④3入力の論理素子、反転入力の混ざった素子 4
⑤ブール代数公式の真理値表と回路による確認 4
⑥多数決論理とその実現方法 4
⑦加算器の基本、半加算器、全加算器 4
[目標]
デジタルとアナログの違いを説明できる。2入力の論理素子の基本的性質を理解し、真理値表、数式、回路記
号の三者の関係を説明できる。また、実験を通して実際のデジタルICを動作させることができる。3入力の論
理関数へ考えを拡張できる。回路は異なるが真理値表が同じになる論理回路の実験を通して、積和形式、和積
形式、論理圧縮を体験的に理解する。加算器がどのように実現できるかを説明できると共に、その回路を組み
立てることができる。
前期中間試験 1
⑧中間試験講評、記憶素子の基本実験、動作考察 6
⑨RSフリップフロップ 4
⑩Dラッチ 4
⑪時間的に変化する論理値の表現 4
⑫Dフリップフロップ 4
⑬簡単な順序回路Ⅰ(M系列発生器,カウンタ)、状態遷移表 4
⑭簡単な順序回路Ⅱ(累積加算) 4
[目標]
論理の正帰還ループを構成することで、記憶素子が形成されることを実験により理解し、説明できる。その発
展形としてRSフリップフロップ、Dラッチ、Dフリップフロップが構成できることを実験を通して理解し、説明
できる。フリップフロップを利用した簡単な順序回路の動作が説明できる。Dフリップフロップを利用して累
積加算可能な加算回路を構成し実験を通してその動作が説明できる。この構造がコンピュータのCPUに類似の
構造であることを理解している。
※履修上の注意(下欄も参照)
実験を行うため、各自、ブレッドボード、電池、LED、抵抗、指定されたデジタルICを用意すること(初回授
業で指示する)。各回の実験では、担当教員の前で回路が動作していることを確認させる。このとき簡単な口
頭試問を行う。
前期末試験 1
   

(続き)
教科目名
デジタル回路
 
教科書
ディジタル回路の設計・製作(湯山俊夫 CQ出版社)
補助教科書
履修上の注意
本教科では、ノートを、受講状況及び実験実施状況を確認するための答案用紙として位置付ける。その仕様として、一綴りになったA4サイズのものを指定する。ルーズリーフタイプは認めない。各回の授業終了後にノートチェックを行う。また、最終回の講義終了後にはノートを提出させる。
評価基準
各回の小テスト及び2回の定期試験の結果に各人の受講状況・実験実施状況(ノートチェックの結果)を加味して評価する。
評価法
小テスト25%,定期試験50%,実験実施状況等25%
学習・教育目標 東京高専
C-2,C-6
JABEE
(d)(h)