国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
アルゴリズムとデータ構造特論
 
担 当 教 官 小嶋 徹也
学年、学科等 1年 専攻科機械情報専攻 通常講義
単位数 期間 選択 2 単位 後期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
 アルゴリズムや計算量の理論と重要な関連があるオートマトンとチューリング機械について理解することを目指
す。具体的には抽象的なプログラムとしての形式言語をオートマトンやチューリング機械に入力した場合の処理過程
を具体例に基づきフォローする。またアルゴリズムの複雑性や計算量に関する理論について学ぶ。授業は,定められ
た内容について学生が調査・発表を行なう形式で進める。また毎回演習問題を解くことにより理解を深める。
カリキュラムにおける位置づけ
 集合,写像,記号論理,グラフ理論など,情報数学,離散数学の分野について知っていると望ましいが,知らなく
ても十分に履修可能である。調査・発表を行なうテーマや演習問題など,教員が配布する文書やレポート課題などは
すべて英語で記述するため,英文読解力が求められる。発表や提出物は英語である必要はない。
授業の内容 時間
 授業は,初回の2時間のみ,教員側で説明を行なうが,それ以外は原則として,次回の授業で習得すべき
内容を教員が示し,それについて各学生が調査・予習を行なった内容を発表する,という形式で進める。 4
1. 正規言語と有限オートマトン
 1.1 準備 6
   ・計算とアルゴリズムとは  ・集合と写像  ・アルファベット  ・語と言語
 1.2 正規言語と有限オートマトン
   ・正規表現と正規言語  ・有限オートマトン  ・有限オートマトンによる言語表現
   ・決定性オートマトンと非決定性オートマトンの定義および動作,変換 2
2. 文脈自由文法とプッシュダウンオートマトン
 2.1 文脈自由文法 4
   ・文脈自由文法  ・解析木  ・あいまい性
 2.2 プッシュダウンオートマトン
   ・プッシュダウンオートマトン(PDA)の定義と動作   ・文脈自由文法からPDAへの変換
   ・決定性PDAと非決定性PDA 2
3. チューリング機械
 3.1 チューリング機械 2
   ・チューリング機械の定義と動作
 3.2 チューリング機械と言語
   ・チューリング機械で受理される言語  ・チョムスキーによる言語の階層 6
4. 計算可能性
4.1 チューリング機械と計算可能性
   ・チューリング機械による計算  ・多テープチューリング機械   
   ・2次元テープチューリング機械   ・ランダムアクセス機械
   ・チャーチ=チューリングの提唱  ・チューリング機械の停止問題 2
   ・チューリング計算可能性の概念
 4.2 決定不能性 2
   ・決定可能問題  ・決定不能問題  ・クラスP  ・クラスNP  ・NP完全性
5. まとめ
教科書
適宜プリント等を配布する他,参考文献等を指示する。
補助教科書
履修上の注意
割り当てられた内容について,調査・学習し,スライドを作成して発表準備を行なうこと。
毎回演習問題を行なうため,A4のレポート用紙を準備すること。
評価基準
オートマトンやチューリング機械の計算方法などについて理解し,授業の中で適切に発表が行なえること。他の学生の発表を聞いて議論を行ない,演習問題が解ける程度に理解すること。
評価法
レポートなど75%,発表内容,態度15%,毎回の演習問題10%
学習・教育目標 東京高専
B-3,C-1,C-3,C-6
JABEE
(c)(d)(f)