国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
工学倫理
 
担 当 教 官 菊地重秋、川北晃司、河村 豊
学年、学科等 4年 一般科目(人文系) 通常講義
単位数 期間 必修 1 単位 前期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
科学技術が社会・経済に大きな影響を果たすようになり,研究活動に対して大きな期待がよせられている.こうした
中で,工学研究者には,確かな工学的基礎知識と高い職業的倫理観が求められるようになった.本講義では,職業的
倫理観を高めるために,(1)過去の事例の検討(知ること),(2)技術者倫理の原則を検討(理解すること),
(3)技術者と企業の関わりを検討(身につけること),という3側面から取り扱う.
カリキュラムにおける位置づけ
本科目は人文社会系基礎科目の履修を前提とした人文社会系応用科目の1つである.すなわち,倫理思想,政治・経
済・日本史・科学技術史・文章表現法などの科目履修が前提である.
授業の内容 時間
1.イントロ 2
  工学倫理を学ぶ意味を,最近の事例などを通して,考える.
  グループを作り,事例分析および倫理綱領調査の予定を定める.
2.「知ること」編 8
 過去の事例から工学倫理問題の特徴を考える.事故の概要(ビデオ資料を利用)
 工学倫理の基本的事例の知識を獲得する.事故,事件の背景を分析する.
 (1)過去の事例紹介とその分析(その1)
     例:論文捏造などの不正問題 
 (2)過去の事例紹介とその分析(その2)
     例:日常生活で起こる技術事故の問題
 (3)グループによる事例分析の調査およびプレゼンテーション  
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3.「考えること」編
 倫理綱領とはどのようなものか.倫理原則の諸類型と活かし方.
 工学者,技術者とはどのような職業人か.「安全学」との関連を考える.
 (1)工学倫理の考え方(その1)
     「倫理綱領」など
 (2)工学倫理の考え方(その2)
     「倫理概念」など
 (3)グループによる倫理綱領,行動規範の調査およびプレゼンテーション 9.5
4.「使うこと」編
  最近の事例について,受講者が調査し,発表する.
  調査を通して,知識を広げる.
  発表を通して,関連する知識を整理する.
  討論を通じて分析能力を高める.
 (1)倫理的ディレンマと考えられる事例を取り上げる.
 (2)グループ内での討論を行う.
 (3)グループによるプレゼンテーションを行い,その後,ディベートに向かう.  
前期末試験 0.5
   
   
   

(続き)
教科目名
工学倫理
 
教科書
『誇り高い技術者になろう 工学倫理のススメ』(名古屋大学出版会)
補助教科書
講義中に紹介する.
履修上の注意
クラス担当者 M科−川北,E科−河村,D,J,C科−菊地.
科学技術に関わるニュース記事などに関心を向けること,加えて,講義で出される課題解決には,文献などの資料を調査,分析,またグループでの討論が必要で,プレゼンテーションの能力も利用する.
評価基準
工学倫理に関わる,基本的な事例,工学倫理に関わる基本概念,対処法に関わる基礎知識について,8割程度習得していること.課題解決力(調査,分析),発表能力(討論,発表)を持っていること.
評価法
レポートなど20%,定期試験60%,プレゼンテーション20%
学習・教育目標 東京高専
A-3,A-4
JABEE
(b)(d)