教科目名
無機化学実験
担 当 教 官
:
北折 典之、菊地 章
学年、学科等
:
3年
物質工学科
実験
単位数 期間
:
必修
3 単位
前期
週6時間
(合計 90 時間)
授業の目標と概要
無機化学の基本的な実験手法を習得する。特に無機化学反応ならびに電気化学反応を理解するとともに、金属および
非金属元素の分析と無機化合物特有の性質と基礎知識を学び、さらに実験をより精度良く、定量的に行うための基本
的な操作を身につける。加えて、基本的な報告書の書き方および報告の仕方を学習する。
カリキュラムにおける位置づけ
2年次に学習した分析化学実験を基礎に応用する。また、無機化学Ⅰで学んだ現象を実験を通して身につけると同時
に自分で実験を計画し、まとめ上げ、発表する手順を習得する。
授業の内容
1.実験の心得
実験室の利用、器具および試薬の取り扱いと基準、安全性留意、レポートの書き方、実験の進め方などを説明する。
2.実験講義
各実験テーマ内容についての講義する。
3.無機化学実験(実験テーマA,B,Cは全員行う。DとEは一方のみを選択して行う。)
実験テーマA: 電気メッキ(銅メッキ)
銅の電気メッキを行い、ファラディーの法則を確認する。メッキ進行に伴う表面の変化も合わせて観察する。
実験テーマB: イオン交換樹脂によるイオン分離
陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂による銅イオンの交換反応およびNi、Fe、Coイオンの分離を行う。
実験テーマC: 食塩水の電気分解
食塩水の電気分解により次亜塩素酸ナトリウムを合成し、ヨウ素法によりその溶液の有効塩素濃度を定量分析する。
反応時間、濃度、電極材質の違いによる分解反応の進行を観察する。
実験テーマD: 遷移金属錯体の合成と可視光スペクトルの測定
コバルトと鉄の錯体を合成し、色の変化を確認するとともに、分光光度計により吸収スペクトルを測定し、発色の原
理を学習する。
実験テーマE: アルミニウムの原子量測定
(1)ルツボの恒量
(2)ろ紙の灰化
(3)アルミニウムの原子量測定
・ルツボをガスバーナーで加熱、冷却後重さを測定する。恒量化するまで同じ操作を繰り返す。
(恒量化の意味を学習)
・ろ紙を焼却し(灰化)、その重量変化を調べる。
・水酸化アルミニウムの沈殿を恒量したルツボを用いて焼却し、酸化アルミニウムに変え、その重さの変化から
アルミニウムの原子量を求める。
教科書
無機化学実験テキスト配布(東京高専・物質工学科無機化学担当者編集)
補助教科書
履修上の注意
前もって良く実験書および参考書等を読んで、それぞれの実験ではどのような試薬や器具が必要なのか、危険性についてはどうか、どのような操作を行うのか、またそれらは何故必要なのかを、よく勉強しておくこと。
評価基準
実験の取り組み姿勢、レポート、発表を総合的に判断し評価。
評価の概略は、実験テキストに記載。詳細は授業の際に説明する。
評価法
レポートなど100%
学習・教育目標
東京高専
B-1,B-2,C-1,C-3,C-4,C-7,C-8,C-11,C-12,C-13
JABEE
(c)(d)(f)(h)