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教科目名
生物化学
 
担 当 教 官 庄司 良
学年、学科等 3年 物質工学科 通常講義
単位数 期間 必修 1 単位 後期 2 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
 生命を維持するため、生物の体内では多種多様な化学物質の複雑な反応が行われている.それはどんなものだろう
か?また,生物といっても、人などの大きなものから微生物など様々である.本講義では,生物を構成する物質の基本
的性質や構造と機能,さらに酵素反応やエネルギー獲得様式を理解することを目標とする.
カリキュラムにおける位置づけ
生物学,有機化学,分析化学,物理化学の基礎のもと、生物における化学反応を理解する科目である。4年以降の分子
生物学、微生物学、生物工学の基礎となる科目である。
授業の内容 時間
1.はじめに 2
生物と化学物質の関係、特に生物体内にどんな物質がどれ位存在するのか.
2.pHと緩衝液 2
酸と塩基の挙動, 緩衝作用やその生体内での重要性を学ぶ.血液をはじめ生物体内の水溶液は緩衝液であ
る.
3.生化学物質と異性体 2
生化学物質は糖をはじめ多くは多種多様な異性体を有する.ここでは異性体としてどんなものがあるの
か?確認すると共に特に糖の光学異性体について学習する.
4.糖質 4
ほとんど全ての生物のエネルギー源は糖質である.糖とは何か?どんな構造を有する物質なのか?どんな
化学的性質を有するのか?
5.生物とエネルギー 4
後半の導入として、食物連鎖や共生を概観しながら生物のエネルギー獲得様式を把握する.
後期中間試験 1
6.解糖 5
グルコースを出発物質としてトリカルボン酸サイクルに入る前のピルビン酸までにいたる代謝経路を理解す
る。特に解糖系の途中に出てくる高エネルギー化合物の理解に際して、物質の結合状態や立体障害などから化
合物の不安定性を理解することが求められる。
7.トリカルボン酸サイクル 5
トリカルボン酸サイクルに入るピルビン酸からアセチルCoAへの反応とクエン酸までの反応から、一巡して再
びクエン酸まで到達する間にどのような反応がなされるか?君が今呼吸して吐き出している炭酸ガスはこのト
リカルボン酸サイクルからでてくるものである。
4
8.電子伝達系,酸化的リン酸化
電子伝達系の素反応を理解すると共に、エネルギーの計算方法を学ぶ.
例えば、グルコース等の代謝により、どの程度のエネルギーを得できるかも計算する.
学年末試験 1
   
   
   
   

(続き)
教科目名
生物化学
 
教科書
基礎の生化学 猪飼篤著 東京化学同人
補助教科書
履修上の注意
生物学,有機化学,分析化学,物理化学で学習した内容を十分に理解しておくこと.特に,生化学物質はほとんどが有機物であるため,有機化学の理解が必要である.また、緩衝液のpHや熱力学的計算も扱うため,分析化学や物理化学の知識も必要となる.
評価基準
80点以上でA、70点以上80点未満でB、60点以上70点未満でC、60点未満でD
評価法
定期試験75%,レポートなど25%
学習・教育目標 東京高専
C-4,C-6
JABEE
(c)(d)