国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
環境工学
 
担 当 教 官 阿久沢 昇,三谷 知世,菊地 章,庄司 良
学年、学科等 5年 物質工学科 通常講義
単位数 期間 必修 1 単位 前期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
 環境汚染問題を解決できる技術者を育成するため、大気汚染および水質汚濁に関連する講義を中心に行う。大別す
ると、①大気汚染および水質汚濁の現状、②汚染原因物質、③汚染防止法、④汚染処理法。また、関係法令について
も概説し、技術者のみならず管理者の立場で環境問題を考えられる素養を身につけさせることを目標とする。
カリキュラムにおける位置づけ
 3年・4年の分析化学、化学工学、環境科学と関連しており、それらの内容を公害防止の観点から再学習する。
授業の内容 時間
 公害には、①大気汚染②水質汚濁③土壌汚染④騒音⑤地盤沈下などがある。これらのうち、生命維持に
必要な空気および水に関わる大気汚染と水質汚濁について取上げる。
1.大気汚染  前半は大気汚染について解説する。 2
(1)大気汚染概論
 大気汚染の歴史、原因物質、人体および動植物への影響を学び、大気汚染防止の重要性を認識する。 2
(2)大気汚染関係法令
 関連法令を紹介し、我々技術者が構ずるべき処置を、法令面から考える。 2
(3)燃焼・ばい煙防止技術
 有害な窒素酸化物、硫黄酸化物はものの燃焼により発生することが多い。ここでは、燃焼時のばい煙の
発生を低減させる方法を学ぶ。 2
(4)大気中におけるばい煙の拡散
 物質の大気中への拡散を学ぶ。 2
(5)大気汚染関係有害物質処理技術 2
(6)除じん・集じん技術
 有害物質を無毒なものに変えたり、物理的に捕集する方法を概説する。 2
(7)測定技術
 大気の汚れを分析する方法を知る。
2.水質汚濁 2
(1)水質汚濁概論
 水質汚濁の歴史、原因物質、汚濁の進行など水質汚濁の全般を概説する。 2
(2)水質汚濁関係法令
 水質汚濁防止法に定められている環境基準と排出基準の違いを理解する。 4
(3)汚水等処理技術一般
 汚水処理は生活排水と産業排水処理に大別できる。後者はより高度な技術が要求される。ここでは、下
水処理場の処理プロセスを例に、汚水の物理化学的処理、生物化学的処理について演習も交えて学習する。 4
(4)水質汚濁関係有害物質処理技術 3
(5)測定技術
 産業排水等に含まれる有害物の処理方法、分析方法を解説する。
前期末試験 1
教科書
なし
補助教科書
プリント配布
履修上の注意
 これからの科学技術の発展は環境保全を前提としたものでなければならない。21世紀を担う技術者にとっては不可欠な分野であるので、十分に理解して欲しい。授業には計算機を持参すること。
 
評価基準
 環境問題の一般な知識、工場等で発生する有害物質の発生源・除去方法などを問う試験および課題で評価する。60点以上を合格とする。
評価法
定期試験80%,レポートなど20%
学習・教育目標 東京高専
A-1,A-2,C-4,D-4
JABEE
(a)(b)(c)(d)(g)