授業の目標と概要 |
近年の高分子合成技術の発展はめざましく、高分子の構造を精密に制御できる重合法が相次いで開発されている。 |
この授業では、種々の基本的高分子合成法について詳細に学習し、重合機構と生成高分子の特徴を理解する。また、 |
最近開発された種々の精密重合法について概説する。 |
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カリキュラムにおける位置づけ |
3年・4年で有機化学の基礎、また、4年「高分子化学Ⅰ」で高分子化学の基礎を学んだ後、本講義で高分子合成 |
反応の機構等について詳細に学習する。 |
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1.重合反応の種類 |
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逐次重合と連鎖重合の違い、縮合重合の内容について、高分子化学Ⅰの内容を復習する。 |
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2.付加重合 |
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(1)ラジカル重合 |
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付加重合は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合に大別されるが、それぞれの重合機構およびモ |
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ノマーの反応性について解説する。また、二種類以上のモノマーを同時に重合させる共重合についても詳し |
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く学習する。まず、ラジカル重合を取上げ、ラジカル重合の動力学について解説する。 |
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(2)ラジカル共重合 |
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ラジカル共重合におけるQ-e値の理論・モノマー反応性比について理解させる。 |
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(3)イオン重合 |
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付加重合のアニオン重合とカチオン重合について、それらの特徴をラジカル重合と対比させながら解説 |
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する。 |
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(4)配位重合 |
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配位重合は、ポリエチレンの工業的製法にも利用されている反応である。重合機構、重合触媒の活性に |
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ついて説明する。 |
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3.開環重合 |
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付加重合が主にビニル化合物に対する連鎖重合であるのに対し、環状化合物に対するそれは開環重合と |
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呼ばれる。実例を挙げて機構を理解する。 |
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4.精密重合と高分子の構造制御 |
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リビング重合、立体特異性重合、不斉重合といった高分子の構造を精密に制御できる重合方法を実例とと |
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もに紹介する。 |
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分岐高分子の合成方法、物性および応用例について学ぶ。架橋反応および高分子間の反応についても説明 |
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を加える。 |
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教科書 |
化学新シリーズ 高分子化学 (井上祥平著、裳華房)
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補助教科書 |
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履修上の注意 |
高分子合成の基本は、これまでに有機化学で学んだ種々の反応である。有機化学および4年次の高分子化学の講義内容を再確認しておくこと。ノートを準備しておくこと。 欠課時間数が授業時間数の3分の1を超えた者には単位を認定しない。
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評価基準 |
使用する教科書は大学レベルの内容であり、高分子合成化学の基礎知識が習得できる。達成度を教科書レベルの内容を問う定期試験により評価する。60点以上を合格とする。
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評価法 |
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学習・教育目標 |
東京高専 |
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JABEE |
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