国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
米国社会経済史
 
担 当 教 官 浅野 敬一
学年、学科等 4年 一般科目(人文系) 通常講義
単位数 期間 選択 2 単位 後期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
米国の歴史は、「自由」と同時に「差別」の歴史でもある。本講義は、植民地時代から現在に至る米国経済史を概観し
ながら、特にエスニック・マイノリティーの社会経済的地位に焦点を当てて考察する。そのうえで、米国が行き着いた
解のひとつである多文化主義の意義を限界について考察する。
カリキュラムにおける位置づけ
倫理思想、政治・経済、科学技術史を中心に、社会系科目の基礎知識をもとに、具体的な問題の分析に取り組むもので
ある。また、多様な矛盾やジレンマを乗り越えて解を模索する過程は、工学倫理(4年)と関連する部分もある。
授業の内容 時間
はじめに 1
 基礎的な諸概念について解説する。
1.植民地経済とエスニック・マイノリティー 2
 英領植民地として成立する過程において、奴隷制が導入された要因を考察する。
2.奴隷制の拡大と南北対立の激化 2
 奴隷制が西部へ拡大した過程を考察する。
3.アイルランド系移民 2
 「白い黒人」と呼ばれたアイルランド系移民の地位について考察する。
4.南北戦争と奴隷解放宣言 4
 南北戦争と奴隷解放宣言を経済利害対立の観点から再考する。また、南北戦争を技術的な側面から分析す 
 る。
5.奴隷制から人種差別へ 2
 南北戦争による奴隷制の解体が、人種差別へ転化する過程を検証する。
6.大量生産システムにおけるエスニック・マイノリティー 4
 19世紀後半から増加した南東欧系移民とこれらの移民労働力が大量生産システムに組み込まれる過程を理解
 する。
7.第二次大戦とエスニック・マイノリティー 2
 日系移民の概況と第二次大戦中の日系人強制収容所について考察する。
8.豊かさの裏側 4
 繁栄の1950年代における黒人の状況及び60年代に展開されたアファーマティブ・アクション(積極的差別是
 正策)の意義を考察する。
9.映画にみる黒人の地位 4
 1970年代の黒人映画を題材に、黒人(アフリカ系)に対するステレオタイプの形成と一方での人種意識の高
 揚を検討する。 2
10.多文化主義
 多文化主義の概要を理解するとともに、今後の課題を考察する。
学年末試験 1
   
教科書
レジュメを配布する。
補助教科書
履修上の注意
映画等の映像資料のほか、一部英語文献も使用するので、積極的な受講姿勢を期待する。
評価基準
1.米国経済史の主要事項を理解していること、2.問題に対して多様な視点から解決策を考察・提示できること。
評価法
定期試験70%,小テスト等30%
学習・教育目標 東京高専
JABEE