授業の目標と概要 |
量子化学は量子論を様々な分子に適用し、その電子状態について検討する学問である。そのために本講では分子軌道 |
法の基礎から学習を始め、様々な形状の分子の電子状態の計算法を学習する。そして最終的にはエチレン程度の分子 |
軌道の計算について理解できることを目標とする。 |
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カリキュラムにおける位置づけ |
4年前期までに学んだ数学、物理学及び量子論の知識が必要となるが、基礎的事項に関してはその都度復習しながら授 |
業を進める。 |
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1. なぜ量子化学を学ぶか |
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量子論の復習、多体問題 |
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多原子分子の電子状態 |
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2. 水素分子 |
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原子軌道の線形結合、永年方程式 |
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結合性軌道と反結合性軌道 |
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3. ヒュッケルの分子軌道法 |
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重なり積分、クーロン積分 |
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単純ヒュッケル法、拡張ヒュッケル法 |
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4. 軌道の重なりと軌道間相互作用 |
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π結合 |
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σ結合 |
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5. AH型分子とAH2型分子 |
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軌道間相互作用の適用手順 |
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H2分子、LiH分子、HF分子 |
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直角型AH2分子から直線型への変化 |
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6. A2分子 |
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A2型分子の軌道間相互作用、エネルギー順位 |
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結合次数 |
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7. 軌道の混成 |
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同一原子の軌道の混成 |
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sp混成、sp2混成、sp3混成 |
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8. 3中心結合と水素結合 |
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3中心軌道間相互作用、直線的3中心2電子結合 |
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湾曲した3中心2電子結合、水素結合 |
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9. 電子エネルギーと光電子スペクトル |
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光電子スペクトルとイオン化エネルギー及び |
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分子軌道のエネルギー順位の関係 |
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10. 量子化学の応用 |
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エチレンの分子軌道 |
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フロンティア軌道論 |
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