国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
量子化学
 
担 当 教 官 土屋 賢一
学年、学科等 4年 物質工学科 通常講義
単位数 期間 必修 1 単位 後期 週2時間 (合計 30 時間)
授業の目標と概要
量子化学は量子論を様々な分子に適用し、その電子状態について検討する学問である。そのために本講では分子軌道
法の基礎から学習を始め、様々な形状の分子の電子状態の計算法を学習する。そして最終的にはエチレン程度の分子
軌道の計算について理解できることを目標とする。
カリキュラムにおける位置づけ
4年前期までに学んだ数学、物理学及び量子論の知識が必要となるが、基礎的事項に関してはその都度復習しながら授
業を進める。
授業の内容 時間
1. なぜ量子化学を学ぶか 2
     量子論の復習、多体問題
     多原子分子の電子状態
2. 水素分子 2
     原子軌道の線形結合、永年方程式
     結合性軌道と反結合性軌道
3. ヒュッケルの分子軌道法 4
     重なり積分、クーロン積分
     単純ヒュッケル法、拡張ヒュッケル法
4. 軌道の重なりと軌道間相互作用 2
     π結合
     σ結合
5. AH型分子とAH2型分子 4
     軌道間相互作用の適用手順
     H2分子、LiH分子、HF分子  
     直角型AH2分子から直線型への変化
後期中間試験 1
6. A2分子 4
     A2型分子の軌道間相互作用、エネルギー順位
     結合次数
7. 軌道の混成 2
     同一原子の軌道の混成
     sp混成、sp2混成、sp3混成
8. 3中心結合と水素結合 4
     3中心軌道間相互作用、直線的3中心2電子結合
     湾曲した3中心2電子結合、水素結合
9. 電子エネルギーと光電子スペクトル 2
     光電子スペクトルとイオン化エネルギー及び  
     分子軌道のエネルギー順位の関係
10. 量子化学の応用 2
     エチレンの分子軌道
     フロンティア軌道論
学年末試験 1
   
   
   
   

(続き)
教科目名
量子化学
 
教科書
書名: 量子化学、 著者: 大野公一、 発行所: 岩波書店
補助教科書
書名: Quantum Mechanics、著者: L.J.Shiff
履修上の注意
量子論Ⅰ、Ⅱを復習しておくこと。
評価基準
分子への量子論の応用について理解できたどうか定期試験により評価する。
評価法
定期試験100%
学習・教育目標 東京高専
C-1,C-4,C-5,C-6
JABEE
(c)(d)