国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
分析化学
 
担 当 教 官 工藤 節子
学年、学科等 3年 物質工学科 通常講義
単位数 期間 必修 2 単位 通期 週2時間 (合計 60 時間)
授業の目標と概要
 化学は物質を直接取り扱う学問として自然科学の基礎であり、分析化学はその物質を定性・定量する学問として化
学の基礎を成している。この分野は化学分析と機器分析に大別され、理論および方法の研究を含む。本授業では溶液
内平衡をはじめとする化学分析法の基礎、化学操作の意味を理論的に理解できることを目標とする。
カリキュラムにおける位置づけ
 既に学習内容と関連する実験を2年次の分析化学実験で行った。本授業はそれらを理論的に理解するためのもの
であり、物理化学と関連する。
授業の内容 時間
1.溶媒としての水、溶液の濃度         水の性質、モル濃度、その他の濃度 2
2.化学反応と化学平衡             活量、熱力学的平衡定数、濃度平衡定数 2
3.酸・塩基の概念               プロトン供与体・受容体、共役酸・塩基 2
4.水溶液における酸・塩基反応         酸解離定数、塩基解離定数 2
5.pHの計算                  強酸、強塩基、弱酸、弱塩基の各水溶液 2
                        塩の加水分解                  
2
6.pH緩衝液                  弱塩基+その塩、弱酸+その塩          
                                
7.酸塩基滴定                 滴定曲線、酸塩基指示薬 2
           
前期中間試験 1
8.項目1〜7の重点確認            前期中間試験の解説 1
            
9.金属錯体の構造と錯体の安定度        錯体とは。Lewisの酸・塩基とHSAB則 2
        
10.錯体生成反応の平衡論           錯体の生成定数(安定度定数)、キレート 2
11.副反応                  副反応係数と条件生成定数、マスキング剤 2
12.キレート滴定(1)            滴定曲線、金属指示薬 2
13.キレート滴定(2)            代表的な滴定法 2
14.沈殿生成・沈殿溶解の平衡          溶解度積とイオン積、沈殿の溶解平衡モデル 2
15.沈殿分離                 分別沈殿 2
前期末試験 1
16.項目9〜15の重点確認           前期末試験の解説 1
17.沈殿の形成過程               過飽和度、均一沈殿法、沈殿の汚染 2

(続き)
教科目名
分析化学
 
授業の内容 時間
18.沈殿滴定                  滴定曲線、Mohr法、Fajans法 2
19.酸化還元平衡                酸化反応と還元反応の同時性、酸化還元対 2
20.ネルンスト式と電極電位           単極電位の濃度依存、電池 2
          
21.いろいろな系の酸化還元平衡         錯形成、沈殿生成、2組の酸化還元対 2
22.酸化還元滴定                滴定曲線、酸化還元指示薬 2
後期中間試験 1
23.項目17〜22の重点確認          後期中間試験の解説 1
24.電気化学的分析法              ガラス電極によるpH測定、電位差滴定 2
25.分配平衡                  分配定数、分配比の定義、抽出率 2
26.溶媒抽出の実際(1)            有機酸の分配平衡、無電荷金属錯体の抽出 2
27.溶媒抽出の実際(2)            金属イオンの抽出分離、イオン対抽出 2
28.分析における前処理             目的成分のマトリックスからの分離、濃縮 2
29.分析データの取り扱いと分析値の信頼性    正確さ、精度、標準物質 2
30.項目17〜22の重点確認          (質疑応答) 1
学年末試験 1
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
教科書
書名:基礎分析化学、著者:今泉ほか、発行所:化学同人
補助教科書
書名:基礎分析化学演習、著者:菅原正雄、発行所:三共出版
履修上の注意
授業項目ごとに関連する2年次の分析化学実験ノートやレポートを確認して理解を深めてほしい。授業用ノートと自主学習ノート(B5版のうすいものでよい)を準備する。授業には電卓を持参する。対数と指数の計算が自由自在であることが必須である。
評価基準
教科書レベルで60点以上をとること
評価法
定期試験80%,レポートなど20%
学習・教育目標 東京高専
C-1,C-4,C-6,C-7
JABEE
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