国立東京工業高等専門学校 シラバス 国立東京工業高等専門学校トップページへ戻る シラバス 閲覧戻る
教科目名
情報数学Ⅱ
 
担 当 教 官 小嶋 徹也
学年、学科等 4年 情報工学科 通常講義
単位数 期間 必修 1 単位 前期 週2時間 (合計 32 時間)
授業の目標と概要
ディジタル通信などで利用される符号の生成や特性について理解するための基礎として,整数の基本的な性質や,
群・環・体といった代数系の基礎理論を修得することを目標とする。また,有限体上で定義される2進系列としてM
系列など,情報通信分野に応用される符号系列を取り上げ,その性質と原始多項式の関係などについて明らかにす
る。
カリキュラムにおける位置づけ
特に事前知識は必要としないが,mod 演算や情報数学Iで学んだ集合や写像の概念を復習しておくことが望ましい。
授業の内容 時間
1.整数の除法 4
  ・商と余り  ・公約数  ・最大公約数  ・互いに素  ・公倍数  ・最小公倍数
  ・素数  ・素因数分解  ・ユークリッドの互助法  ・メビウスの関数  ・オイラーの関数
2.群 6
 2.1 同値関係と整数の合同関係
  ・同値関係  ・同値類  ・商集合  ・整数の合同関係
 2.2 群
  ・半群  ・群  ・単位元  ・逆元  ・可換群  ・加群  ・対称群
 2.3 部分群と準同型写像
  ・剰余類  ・巡回群  ・準同型写像  ・同型写像
3.環と体 4
  ・環  ・可換環  ・剰余環  ・イデアル ・体  ・有限体
前期中間試験 1
4.多項式と有限体 10
 4.1 多項式
  ・多項式  ・多項式の加法と乗法  ・モニックな多項式  ・多項式環
  ・多項式の除法  ・既約多項式  ・多項式環のイデアル
 4・2 有限体の性質
  ・部分体  ・拡大体  ・素体  ・原始根  ・体の同型
  ・素数のべき乗を要素数とする有限体  ・有限体の巡回表現
  ・最小多項式  ・原始多項式  ・トレース
5.M系列 4
  ・ランダム性  ・擬似乱数系列  ・周期相関関数  
  ・線形帰還シフトレジスタ  ・M系列の定義  ・M系列の生成多項式
  ・M系列の諸性質  ・M系列から派生した系列
前期末試験 1
6.試験の解説とまとめ 2
教科書
水野弘文著「情報代数の基礎」森北出版
補助教科書
補助プリントおよび演習問題プリント配布
履修上の注意
原則として,授業の最後に問題演習を行なう。
演習の解答は提出を求めるので,毎回A4のレポート用紙を用意すること。
評価基準
有限体と原始多項式の概念について理解し,3〜4次程度の多項式を用いた具体例に関する演習問題を解ける。M系列の生成ができ,擬似乱数としての性質を理解する。
評価法
定期試験80%,レポートなど20%
学習・教育目標 東京高専
C-1
JABEE
(c)